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人畜共通感染症

新型コロナウイルスの世界的感染(パンデミック)により、私たちの生活や健康、社会的な活動は大変脅かされました(このコラムは2020年7月に書いています)

ペットシッターの業務も、『不要不急の外出自粛』という緊急事態宣言期間中においては、旅行や出張はもちろん“ステイホーム”で留守にする機会が激減するため、大変大きな影響を受けました。

ペットにとっては、“飼い主さんと一緒に過ごせる時間が増えて嬉しい”ことかもしれませんが、こうしてと(人とは異種の)動物が接触することで生まれる“感染症”問題は、昔から数多くあります。

今回は、そんな怖い“人畜共通感染症”について、まとめてみました。

 

 

世界にはたくさんの動物由来の感染症がある


動物から人、または人から動物に感染する病気のことを『人畜(じんちく)共通感染症』といいますが、最近ではこの呼称が使われることは少なくなり、今は「人獣(じゅんじゅう)共通感染症」が広く使われていますね。

「畜」は本来「家畜」を意味しますが、野生動物はもちろん、愛玩ペットからも感染する問題を受け、このように変えられたのでしょう。

しかし一方で、「獣」は本来“体毛で被われた動物”を指す言葉であり、オウム病や鳥インフルエンザなど鳥類由来の感染症や、爬虫類由来のサルモネラ、昆虫や魚類由来の寄生虫などには適さないという意見もあり、厚生労働省では“とにかくヒトへの感染経路”を重視する観点から「動物由来感染症」という呼称を用いたりしています。

ただこれもこれで、今度は獣医学の立場から「ヒトから動物への感染(ヒト由来感染症)による動物の被害もあるため不適切で、“動物が汚いもの”というレッテルを貼っている」という反発もあったりしますので、名前の割にちっとも共通する呼称が見つかりません(笑)

そんな人畜共通感染症、英語名でズーノーシス(zoonosis)ですが、2020年現在世界で200種類以上(国内でも100種類近く)が認められており、その数は年々増加しているといわれています。

そして、これだけ種類があれば“その特徴”もまちまちで、例えば狂犬病のように人も動物も発症すればほぼ100%死に至るものや、カプノサイトファーガ感染症(イヌ・ネコの口腔内に常在している3種の細菌ーイヌやネコに咬まれたり、ひっ掻かれたりすることで感染)のように動物は無症状であっても、人が感染すると重症になるものなど、それぞれの症状やその重さは病原体により様々です。

 

 

いろいろな感染パターンの仕組み

ウイルスなり細菌なり、病原体が体内にうつることを伝播(でんぱ)といい、感染源の動物に噛まれる、引っかかれるなどの接触でうつる直接伝播と、途中に蚊やダニなどを媒介する間接伝播があります。

蚊・ダニ・ノミなど、感染動物の病原体を運んでくる動物(主に虫)のことを、ラテン語の「運び屋(vehere)」に由来しベクターといったりします。

ちなみに、間接伝播は必ずしもこのベクターが介在するものばかりではなく、感染動物の排泄物が周囲の環境(土や水)を汚染する環境媒介や、病原体を持った魚・肉類を生食することで感染する動物性食品媒介などがあります。

伝播経路 具体例 共通感染症の例
直接伝播 咬まれる、ひっかかれる、触れる(排泄物等を含む) 狂犬病、パスツレラ症、猫ひっかき病、トキソプラズマ症、回虫症、エキノコックス症、オウム病、皮膚糸状菌症、サルモネラ症、カプノサイトファーガ感染症
関節伝播 ベクター媒介 ダニ類、蚊、ノミ、ハエ ダニ媒介性脳炎、日本紅斑熱、クリミア・コンゴ出血熱、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、デング熱、ペスト、Q熱
環境媒介 水系汚染、土壌汚染 クリプトスポリジウム症、レプトスピラ症、破傷風
動物性食品媒介 肉、鶏卵、乳製品、魚肉 サルモネラ症、アニサキス症、腸管出血性大腸菌感染症、E型肝炎、カンピロバクター症

 

ペットシッターSOSでは、お世話に向かう道中などでもし他の動物を見かけても、むやみに触るようなことはありません。また、お世話前後の石鹸手洗いを徹底しているのも、ひとえにシッター自身が大切なお客様のペットのベクター役にならないためです。

 

深刻化する感染症問題


人は、今目の前にある危機には過剰に反応し、ときにデマに踊らされてティッシュやトイレットペーパーの買い占めなど理性を失ったりもしますが、対岸の火事でかつて経験したことがない、また火の粉さえ飛んでこないような問題には、「なぜそうなったのか」「防ぐにはどうすればよかったのか」などの関心さえ持ち難い傾向があります。

世界では毎年5万人以上の死者を出す狂犬病ウイルスにおいても、日本では1957年以降発生していないことから、予防接種が法律で義務付けられているにも関わらず、その接種率は年々低下しています。
少し前までは40%まで落ちていると言われていましたね。ちなみに、WHOの報告では「狂犬病の流行を抑制するには70%の接種率が必要」とされていますが、関心の低さや未登録犬の問題もあり、近年ではさらに接種率は低下しています。

ちなみに感染症法では、症状の重さや感染力など“危険度”の高い順から、一類感染症~五類感染症まで区分されていますが、7種ある一番危険な一類感染症(エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘そう、南米出血熱、ラッサ熱、ペスト、マールブルグ病)のうち、「痘そう」以外は全て人畜共通感染症です。

つまり、本来ヒトが持ち得なかった菌やウイルスを、動物との長い関わり合いの歴史の中で、危険な代償として人間社会に持ち込んでしまったことになります。
加えて、人の感染症の約70%が本来動物が保有していた病原体によるものという事実からも、いかに太古の昔から人と動物が密接に関わってきたか、ということが伺い知れますね。

また、何も長い歴史に限らずとも、例えばここ50年ほどの比較的新しく発見された感染症のことを「新興感染症」といいますが、もともと動物だけが暮らしていた森林を開発していく過程の中で、人や人が連れた動物(家畜)が野生動物と接触し、それぞれが持つウイルスが交雑することで、より強力なニュータイプの病原体が出現してきました。
ノロウイルスやデング熱、SARSやMERSなどがそうですね。
本来、こうした特異なウイルスに侵されても、関わった人や動物など“特定の狭いエリア”で感染が終息していましたが、近年の飛躍的な発展で人々の移動が盛んになったことから、こうした新興感染症は今回の新型コロナウイルスのように、国境を超え爆発的に拡大する危機を生むようになりました。

 

国内で気をつけたい共通感染症


日本は諸外国と比べて衛生概念が高く、それゆえコロナの感染も海外に比べて現状抑えられている、と言われていますね。
しかし一方で、ことペットに関しては良くも悪くも我が子のような価値観で、「うちのコは大丈夫だろう」「嫌がるからかわいそう」とワクチン接種を拒んだり、また食べ物の口移しやベッドを共にするなど“必要以上の濃厚接触”が増えたことで、共通感染症のリスクが消えることはありません。

そこには、ペットに対する価値観の変化、迎え入れるペットの数や種類の増加、気密性の高い室内飼育、人間に限らず動物の移動手段も増えたという社会的な背景もあるでしょう。

以下の表は、国内で発生のみられる主な共通感染症です。

パスツレラ症、皮膚糸状菌症、エキノコックス症(※1)、カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症、 コリネバクテリウム・ウルセランス感染症、ブルセラ症(※2)、 重症熱性血小板減少症候群(SFTS
猫ひっかき病、トキソプラズマ症、回虫症、Q 熱(※1)、パスツレラ症、カプノサイトファーガ・ カニモルサス感染症、コリネバクテリウム・ウルセランス 感染症、皮膚糸状菌症、重症熱性血小板減少症候群(SFTS
ハムスター レプトスピラ症(※1,2)、腎症候性出血熱、皮膚糸状菌症、野兎病
小鳥 オウム病(※1)高病原性鳥インフルエンザ(※1,2)

※1…人に対して「危険性が高い」 ※2…動物に対して「危険性が高い」

今回、私たちはウイルスの怖さを嫌というほど思い知らされましたが、それでも人間は自分の意思で情報を収集し、自らの判断で危険を回避することができます。しかしペットは、その一切を人に委ねるしかありません。

どんな感染症に気をつけなければいけないか、最後に主な人畜共通感染症について見てみましょう。

 

 

主な人畜共通感染症

狂犬病 病原体:狂犬病ウイルス

主な伝播動物はアジアなら犬、ヨーロッパでは狐、北米ではアライグマやスカンクなどで、感染動物に咬まれることで感染。13ヶ月の潜伏期間の後に発症し、人が発症するとほぼ100%死亡する。動物の症状には狂躁型(狂乱)、麻痺型があるが、いずれも昏睡して死亡。動物に咬まれたら、すぐに傷口をよく洗い医師の診察を受ける。発症前なら有効なワクチンあり。

猫ひっかき病 病原体:バルトネラ・ヘンセレ(細菌)

ネコノミの一種にバルトネラ・ヘンセレが寄生していることから、一部の猫(特に子猫)に感染が見られるが、動物は無症状。人の場合、感染猫に咬まれたり、ひっかかれることで傷口近くのリンパ節が腫れるが、ほとんどの場合軽傷。予防はノミの駆除や爪切りで傷が生じにくくすること。

パスツレラ症 病原体:パスツレラ・ムルトシダ(細菌)

犬の75%、猫のほぼ100%が口腔内常在菌として病原体を保有する。他の人畜共通感染症とは比較にならないほど高い病原体保有率だが、犬猫は無症状。人への感染はひっかきや咬傷で、発症すると傷口に熱を持ち腫れて痛むが、傷の周囲に広がることはほとんどない。高齢者や糖尿病患者など、抵抗力の弱い人が発症する日和見感染に注意。

トキソプラズマ症 病原体:トキソプラズマ原虫

感染猫の糞便や、加熱不十分な豚肉などからの経口感染。成人では無症状のことが多いが、妊婦が感染すると胎児に障害をもたらす危険あり。外を出入り自由にしている猫(特に子猫)の糞便は24時間以内に処理し、手や器具をよく洗うことで予防。食器類やトイレ器具は熱湯消毒(801分、100℃数秒で死滅)が有効。

回虫症 病原体:犬回虫、猫回虫

回虫卵は抵抗力が強く、土の中に混じって長期間生き続け、感染の機会を待つ。動物が感染しても無症状の場合が多い(たまに食欲不振、下痢、嘔吐など)が、回虫が人に感染(感染ペットの糞便から出た回虫卵の経口感染)すると、本来回虫が感染する動物ではないため神経系や眼、肝臓などに回虫が迷い込み障害を起こすことがある。成犬になれば回虫に対する抵抗性がつくため、回虫が成虫まで成長できるのは生後6カ月以内の子犬までといわれている。ペット(特に子犬)の検便、駆虫の実施で予防。

Q熱 病原体:コクシエラ・バーネッティ

Q熱という病名は、「Query fever =不明熱」に由来している。日本でも毎年数十人の感染者が報告され、感染動物の排泄物などに排出された菌の経口感染、またこの菌に汚染された空気中の粉塵を吸うなどで感染。犬や猫は無症状のことが多いが、人の場合は気管支炎や肝膜炎など様々で、慢性経過をとると死亡率も65%と高くなるため、早期診断や治療が必要。

オウム病 病原体:オウム病クラミジア

感染したインコ、オウム、ハトの糞の吸引(乾燥したもの)、口移しでの給餌や咬傷などで感染。高熱や激しい咳、関節痛などインフルエンザに近い症状を起こし、2005年には国内の動物展示施設で集団感染もあった。鳥の症状は、元気がない、さえずらない、目を閉じて膨らむなどあるが、成鳥では無症状のことも。ケージを清潔に保ち糞を乾燥させないよう注意。

 

いかがでしたでしょうか?
今回は「人畜共通感染症」をテーマに、さまざまな感染症とその予防策について触れてきました。
それにしても、このれる、という漢字。感染症の主な原因も触れることで、病原体を運んでくる節足動物も虫、そんなと書いて実に色々な顔を持ちます。
触れる:意味=「ちょっと耳にしたり見たりする」「言及する」「ある時期や物事に出あう」「かかわりを持つ」「(法を)犯す」「(名誉を)傷つける」「(感情を)害する」「広く人々に知らせる」など。良い意味も悪い意味も色々ですが、ペットシッターSOSではこれからも感染症予防に十分配慮し、衛生的なペットとのふれあいの中で、お客様の琴線に触れるような誠実なサービスを心掛けていきたいと思います。

 

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