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ペットは鳴けるけど泣けない理由

警戒興奮期待催促要求など、様々なシーンでペットはいたりします。
猫の場合は甘え愛情表現としても鳴きますが、犬も猫も涙を流して「泣く」ことはありません。

感情豊かな動物のなかでも、感極まって涙を流すのは人間だけです。
人は泣けるのに、犬や猫が泣けないのは、動物は人間よりも感情が乏しいからでしょうか?

鳴くことと泣くことの違い、そしての正体とは?
今回はそんな『涙』をテーマに、“動物はなぜ泣かないのか?”を深掘りしてみたいと思います。

 

涙の種類と感情の関係

「泣く」という行為は、人間にとってごく自然な感情表現の一つです。
嬉しいとき、悲しいときなど、心が大きく揺れ動いたときに、目に涙がこみ上げてきます。
たくさんの出会いと別れを経験するペットシッターも、ペットとの永久の別れには、こらえきれず飼い主さんと一緒に涙を流すことが多々あります。

しかし、犬や猫などのペット(動物)たちは、たとえどんなに感情が高ぶったとしても、決して涙を流して泣くようなことはありません。
この違いは、どこから生まれたのか、そもそも『涙』とは何なのでしょうか?

涙には、瞬きのたびに目を覆う「基礎分泌(生理的な涙)」、タマネギやゴミなどの外部刺激から目を守る「反射性分泌」、人間特有の感情の高ぶりによる「情動性分泌」の三種類があります。

よく泣く人のことを「泣き虫」なんて言ったりしますが、そもそも虫には涙腺すらありませんので、涙そのものが存在しません。しかし犬や猫などの動物においては、目の乾燥を防いだり、異物から守るといった役割の涙-つまり「基礎分泌」「反射性分泌」の二種の涙は、分泌量の違いはあれど人間と同じメカニズムで備わっています。

ただし「情動性の涙」だけは、感情によって引き起こされる涙であり、これだけは人間特有のもので、他の動物には見られない現象です。

 

進化の中で獲得した「泣く」能力

人間が情動性の涙を流す能力を得た背景には、進化の過程における社会的なコミュニケーションの発達があると考えられています。
感情を「言葉」で表現するようになった私たちは、それに伴って非言語的な表現も高度化させ、「泣く」という行為を通して、他者に自分の心の状態を伝えるようになりました。

「泣く」ことは、単なる感情の発露にとどまらず、共感を呼び、助けを求めるサインにもなります。赤ん坊が泣くことで世話をしてもらうように、大人になってからの涙もまた、人と人との絆を強め、表情や言葉以上の感情表現の大きな役割を果たしています。

涙は武器~というだけあって、やはりコミュニケーションにおいて絶大なインパクトがあります。
ドラマや映画でも、泣くシーンでちゃんと涙が出るとグッと感情移入できますし、泣き顔を作っているのに一向に涙が流れないと、何となく興醒めしてしまうものです。

このような非言語コミュニケーションとしてのインパクトや社会的役割があるため、人間は情動によって涙を流す~という特殊な進化を遂げてきました。

 

犬や猫が「泣けない」理由

上記のように、人間は泣けるのに、犬や猫が泣けないということは、「犬猫には情動がない、または感受性が低い」ということなのでしょうか?
もちろん、そんなことはありません。
犬や猫にも当然、嬉しい、悲しい、不安、恐怖といった多様な感情があり、彼らはそれらを「鳴く」「吠える」「しっぽを振る」「身を寄せる」などの行動によって表現しています。

高度な社会的コミュニケーション能力を持ち、感情さえも言語化できる私たち人間が進化の過程で「泣く」という独自の表現手段を獲得した一方で、人間以外の動物たちは「鳴き声/動き/接触」という“直接的な行動”によって、感情を伝える進化を遂げてきました。

 

ペットが涙を獲得する可能性

このように『人間以外は感情的に泣かない』というのが、これまでの定説でしたが、2022年の麻布大学の研究では「犬は離れていた飼い主さんと再会したときに涙の分泌量が増える」という研究結果が発表されています。
ただし、この涙は人間のように頬を伝うようなものではなく、あくまで目の表面が潤む程度であり、いわゆる「泣く」とは異なります。

「出かけようとすると、悲しそうな潤んだ目で見つめてくる」と感じる飼い主さんも多いでしょう。しかしそれは、状況の解釈や、表情・ボディランゲージなど、さまざまな要素を飼い主さんが総合的に受け取っている結果であり、実際にペットが“泣いて訴えている”わけではありません。

しかしこの研究では、犬にも情動性分泌がある可能性を示しており、ここからは完全に私の推察になりますが、たとえば犬が人間との長い歴史の中で「笑顔(人間が好意的に反応する表情/口角を上げる、目を細めるなど)を覚えたように、もしかしたら新しいコミュニケーション手段のひとつとして、少しずつ「涙」まで獲得しようとしている~のかもしれませんね。

近い将来、「涙」も人間に対する愛着行動の一環として進化・強化される時代がくるのかもしれません。
ただでさえ愛くるしいペットたちが、ペットシッターとの再会に感涙し、涙を流して「行かないで」と訴えてきたら・・私たちはお世話のたびに「もらい泣き」をしながら、次のお世話に行かなければなりません。

 

最後に

を流さない動物たちと暮らす中で、私たちは「泣く」ことの意味を改めて考えることができます。
涙を持たずとも、豊かな感情を示し、寄り添ってくれるペットとの生活の中で、多くの癒しと感動を共有することができます。そして、泣けないペットたちの代わりに、ペットたちの分まで、私たちがたくさん泣いてあげることだってできるのです。

言葉や涙に頼らずとも、そこには確かに「もう一つの深い共感のかたち」があり、これからもそれを楽しみながら、ペットと共に生きていきたいですね。

以前、「なぜペット(動物)は号泣しないのか」をテーマに上げたブログで、『ペット感涙漫画』を描きましたので、涙腺の扉をノックされたい方は、ぜひハンカチをご用意してご覧ください(笑)

では、これからも思いっきり笑って、思いっきり泣けるペットとのかけがえのない日々をエンジョイしましょう。

 

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