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ペットの舌


私たちペットシッターのお仕事は、いい意味でペットに“舐められる”お仕事といえます(笑)
犬や猫が人を舐めるのは一種の愛情表現であり、この世に誕生して初めて体に触れるのも“親の舌”ですね。
なかには、これでもかってくらい執拗に、鼻の穴や閉じている口をこじ開ける勢いで舐めてくるコもいて、ペットの感情や受け入れの度合いを計るバロメーター・・ならぬベロメーターになっていたりします。

また『舌』は、犬が自らストレスを軽減したり、相手に敵意がないことを示すボディランゲージ(カーミングシグナル)を見る一つのカギにもなります。特に初めて会うワンちゃんが、シッターがお伺い時に「舌を出して鼻を舐める動作」などを見せたら、それはやや緊張していることの表れであり、ストレスを軽減するようなアプローチが求められます。

ペットシッターSOSでは、友好的なペットのペロペロの際に、「普段の口臭と違わないか」「歯石がたまっていないか」「よだれが多すぎないか」「歯肉や舌が白っぽかったり逆に赤すぎたりしないか」など、できる限りの健康チェックをしていますが、今回はそんな“ペットの舌”について見ていきたいと思います。

 

舌にみる健康チェック


健康な犬猫の舌は、通常ピンク色をしていますが、白っぽければ貧血、赤く腫れていれば歯肉炎や口内炎のおそれ、口臭がきつければ虫歯や歯周病、歯槽膿漏などの口の中の病気や内臓系の疾患も考えられるなど、「舌」は健康面を表すバロメーターでもあります。

特に夏は、体温調節のために呼吸数も増え、老齢や肥満ペットは気管虚脱(気管がつぶれてゼーゼーという苦しそうな呼吸や激しいせきが出る)に陥りやすくなるため、注意が必要です。循環や呼吸障害を起こしている場合には、舌が紫色になるチアノーゼ(酸素欠乏状態)という症状が表れますので、早急に動物病院へ連れて行きましょう。

 

ペロペロする理由


犬や猫が人を舐めるのは一種の愛情表現と言いましたが、ではなぜ頭やお尻ではなく、顔や手ばかりをペロペロするのでしょうか?

いつも手からおいしいものをもらっているから?口周りに食べ物のにおいが残っているから?

会ったときに寄ってきてクンクンと口のにおいをかぐのは、「なんかおいしいもの食べてきた?」と確認の意味もある挨拶だといわれていますが、嬉しくてにおいどころか顔中をペロペロ舐め回すのは、実は子供のころからのなごり(習性)なのです。

親犬は子犬に、一度食べたものを吐き戻して離乳食として与えることがありますが、子犬が親犬の口元を舐める刺激が、吐き戻しを促すサインとなっているのです。

食べ物をねだるとき、嬉しいときや甘えるとき、信頼や愛情表現を示すときなど、成長してからも私たち人間に対してこのような行動をペットたちはとってくれますが、さんざん肛門を舐めた後にされたら「う・・」とくるものがありますね(笑)

ちなみに犬や猫が肛門周りをはじめ身体を舐めるのは、汚れを取ると同時にアルカリ性の唾液による“殺菌効果”のためでもあり、舌は身体を清潔に保つことにも一役買っているのです。ただし、傷や湿疹など気になる部分を過度に舐めると、かえって悪化したり皮膚のトラブルを招きますので、注意が必要です。そのような場合は、中世の貴族、エリザベス女王が好んで着けていた襟(カラー)に似ていることが名前の由来となった“エリザベスカラー”をつけて「舌の通せんぼ」をするのが、ちょっとかわいそうですが一般的な解決策です。

そして、舌には大変優れた筋肉がびっしりと詰まっています。
もっとも、生まれてすぐにおっぱいを吸う力が必要ですので、歯や他の器官に比べても成長が早く、
味や異物を感知するなど生きる上で重要な役割を担っているため、その構造も柔軟で大変機能的です。特に猫の舌は、ギザギザの突起物が櫛の役割を果たし、セルフグルーミングする際に大変重宝します。

次に、“舌の高度な機能”についても見ていきましょう。

 

舌で感じる味覚について


「舌」といえば、当然「味」を感知するところですよね。
しかし、たとえばお皿を出した瞬間がっついて、ものの数秒で平らげてしまう犬が、はたして“味わっている”といえるのでしょうか?

舌には、味蕾(みらい)という味を感じる神経があり、グルメな人間が9000個あるのに対し、犬は1700と約5分の1、猫はさらに少ない470と約19分の1しかなく、犬も猫も、人間に比べると確実に“味音痴”であることは否めません。

特に猫は、犬に比べても味蕾数が約4分の1程度と少なく、完全肉食の猫にとって“味よりも鮮度感知や栄養感知の能力が優先されてきた”といえるでしょう。そのため“甘さ”は肉の甘さを感じる程度のわずかしか感じることができませんが、鮮度に直結する“すっぱさ”“苦味”は、非常に敏感に感知します。

それ以外は、汚れた水を好んで飲んだり、一度食べ慣れるとそれに固執し、フードを変えても全く食べなかったりする猫は、どうやらグルメとは程遠い存在のようにも思えます。

いっぽう犬は、舌の先にある“甘味”に反応する味蕾が最も多く、だから甘いものやおやつが大好きです。とはいえこれは、少ない味覚感知機能の中でも甘さを感じる割合が多いというだけで、犬も猫も“味見(味覚)”は主に“匂い”で行っていることに変わりはありません(「グルメな猫の食習慣」参照)。

最近は、ペットも飽食の時代です。食い付きの良い様々なペットフードや、ついつい人間のものを与えてしまったりと、ペットの舌もなかなか肥えてきています。ですが健康面を考えるなら、当然嗜好性だけで選びペットに舌つづみを打たせてばかりではいけません。“舌の肥え”は、“体の肥え”につながり、引いては万病の元となる恐れがあります。

 

その他の舌の機能

例えば、暑さに弱い犬は“体温調節”としても、舌を上手に活用しています。
ご存知の通り、犬は主に呼吸によって体温を調整していますので、暑いときはハッハッハッとより多く呼吸(パウンディング)し舌を出して唾液を蒸発させるなど、体内の熱を気化熱(液体が気体に変わるときに奪う熱)として逃がしています。そのため暑い夏は、より蒸発させようとして体内の水分を多く活用するので、脱水症状のリスクも高まります。特に夏の暑い時期は、新鮮で十分な水を用意しましょう。

猫では、あのザラザラとした舌の突起(糸状乳頭)が全て喉に向かって生えているため、毛づくろいするときにブラシの役割を果たし、汚れや死毛を取り除くうえで欠かせません。クシとしての使い勝手もさることながら、ヤスリのような突起は“肉や魚を骨から削ぎとる”のにも適し、また水を飲む際も突起にうまくプールされるので、舌を出し入れするだけで口に運べるという優れものなのです。

また、舌は温度にも敏感に反応し、熱いものが苦手なことを『猫舌』なんていったりますが、そもそも“人間以外に食べ物を調理して食べる動物はいない”ので、猫に限らず基本的に全ての動物が『猫舌』といえます。

草や木の実は当然、獲れたての獲物の肉でさえ、せいぜい体温くらいですから、自然界にはそもそも“アツアツの食べ物”など存在しないのです。

さて、進化の過程で手足や指先が発達してきた我々と違い、犬や猫は作業のほとんどを口周り、つまり“匂って”“舐めて”“かじって”情報収集し、その機能をより発達させてきました。
確かに、人間の1億倍ともいわれる嗅覚しかり、犬歯の鋭い丈夫な歯や顎しかり、私たち以上に優れていることは言うまでもありません。・・ではなぜ、前述のように、“舌の味覚”だけは“味音痴”のままなのでしょうか・・?

これは、犬も猫もなるべくしてなったといえるのではないでしょうか。
進化しなかった、のではなく、進化させなかった、と。

想像してみてください。肛門周りを舌で掃除する、味にうるさい猫の苦渋を・・。想像してみてください、パピーの糞を舐めとる、親犬の我が子に向ける複雑な表情を・・。
と、ただの想像でしかありませんが(笑)

喜びを表現するときや自分の身体を清潔に保つため、そして産まれたてでは大きな舌で粘膜を舐め取られ小さな舌でおっぱいを吸い、犬の場合は緊張(ストレス)の度合いを舌のカーミングシグナルで表現するなど、まさにペットの気持ちを饒舌(じょうぜつ)に語る舌。

ペットシッターSOSでは、これからもそんなペットたちのペロペロの洗礼をたくさん受け、愛情をもってお世話にあたっていきたいと思います。

 

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