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「猫の誤飲」事故


一般家庭の室内には、猫が口にして飲み込んでしまっては危険なものが、たくさんあります。
その生活環境に慣れた勝手知ったる大人猫より、1歳未満〜1歳前後の好奇心旺盛な若い猫に多くみられるのが「猫の誤飲事故」です。

人間の子どもと違って、何か飲み込んでしまったとしても、「いつ、何を、どれくらい」飲んだか教えてくれるわけではありませんので、いざというときにパニックにならないよう、誤飲事故の予防や対策について、しっかり押さえておきましょう。

 

なぜ猫の誤飲トラブルは脅威なのか


誤飲事故の怖いところは、飲み込むところを目にするか、明確に“なくなったもの”が分からない限り、猫の様子だけでその可能性を推し量るしかなく、またその後の処置にも大変迷う、というところです。

「吐き出させる」のか「様子を見る」のか、はたまたすぐにでも「病院へ連れて行く」べきなのか・・“見えない”分だけ、その後の猫の体調変化にも予測がつきません。

アニコム調べによると、年間約20万件の犬猫の誤飲事故が発生しているといいます。犬猫の飼育頭数の割合からすると、数字上の計算だけでは低い確率といえるかもしれません。しかし、これは実際に動物病院まで行って治療を施した統計であり、「誤飲させてしまったけど自力で吐き出せ(または便として排出され)大事には至らなかった」というケースは含まれません。

そして、もちろん私たちペットシッターSOSでは、こうした結果オーライ的な軽度な誤飲も許されませんし、また「飼主さんがいない」という環境下が”普段とは違うペットの行動”を誘発するリスクを考慮すると、上記のような一般的な割合以上に気を付けなければいけないことは、言うまでもありません。
そのため、特にペットシッターを初めてご依頼いただくお客様には、猫が誤って口にしてしまうような小物や、人間用の薬など危険なモノの保管には、打合せ時に注意喚起させていただいております。

「普段はそんなところに登らないのに・・」シッターをご利用のお客様で、猫ちゃんが信じられない高さやスペースに入り込んでしまうことに驚かれるケースは、これまでにも少なからずありました。ペットシッターのサービスは“環境を変えない”こととはいえ、厳密に言えば「飼主さんがいない」という状況が長く続くことで、猫にとっての生活環境を変えてしまうことになります。もちろん、それでも普段から過ごしている安全で安心できるスペース(我家)と、そうじゃない場所では比になりませんが。

そうした状況から、普段はしないような“退屈しのぎ”や、“転嫁行動”を引き起こさないとも限りませんので、シッターにとっても「誤飲事故」は最も気をつけなければいけない事故のひとつです。

 

どういうものを猫が好んで誤飲してしまうのか


さて、猫の場合は口も小さく、犬ほどがっついてすぐに飲み込んでしまうケースは少ないものの、猫ならではの注意すべき点がいくつかあります。

特に紐状のものは狩猟本能をかきたてるばかりか、一度口にいれると舌の構造上、ベロを出し入れするだけで上へ上へと上がっていき、するすると口の中に入っていってしまいます。
猫に舐められると犬にはないザラつきを感じますが、あれは完全肉食性の猫の舌についている小さな突起(糸上乳頭)が、肉を削ぎ落とし舐め取りやすくする性質を備え、全て喉に向かって上向きに生えているためです。そうした構造上の理由からも、紐状のものは特に誤飲しやすい傾向があります。

結んでいたものがほどけたり、欠損したおもちゃの一部、ヘアゴムやラッピングタイなど、この手のものは日常のどこにでも潜んでいますので、特に家を空ける際は十分注意しましょう。
裁縫糸の先に付いていた針まで飲んでしまうなど、ゾッとする事故も少なくありません。

また、猫の腸の動きは他の動物に比べても強く、糸状のものを飲み込むと腸の蠕動(ぜんどう※消化管壁が食物を送る運動)によって腸内で糸がピンと張り、その張り詰めた糸によって腸が切れてしまう可能性もあるのです。異物(毒物除く)のなかでも圧倒的に致死率が高いのが「紐」ですので、紐そのものじゃなくとも、鞄からはみ出たりラッピングされたものなど、猫が遊んでしまいそうなものには十分注意しましょう。

 

もしも猫が誤飲してしまったら

飲み込んだものを吐き出そうとしているようなら、背中から肩甲骨の間あたりを叩いたり、お腹から胸あたりを押して嘔吐を促しましょう。

異物を詰まらせて窒息を起こしていそうな場合は、舌を引き出して気道を開きます。異物が見えていて取り出せそうなら、ピンセットなどでつまみだすこともできますが、無理をせず動物病院に連れていくのが賢明です。

家庭でできる催吐処置として、よく「食塩水を少量飲ませる」などという方法が紹介されていますが、まず吐かせるのか?中和するのか?解毒するのか?など誤飲したモノによって専門的な対処は異なるため、かえって危険となる場合もあります(食塩の濃度が濃い場合は“急性食塩中毒”を引き起こすことも)。

人間同様、成猫よりも何でも口に入れてしまう幼児期に誤飲事故は多く発生しますが、成猫だからといって安心もできません。
脳化指数(定数×脳の重量÷体重の2分の3乗で算出 ※人間7.6 チンパンジー2.3 猫1.0 犬1.2)で比べると、猫の脳は人間の2〜3歳程度とのこと。もちろん、ひとつの尺度に過ぎませんが、つい“うっかり”で起こしてしまうのが誤飲事故ですので、ヒヤリハットで唾を飲む前に、日頃から「飲み込み事故」には十分目を光らせておきたいところですね。

 

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