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旅行中、お隣に預けた愛犬が行方不明に!慰謝料は請求できる?

隣家に預けた愛犬が行方不明に 慰謝料は請求できる?
弁護士 志賀剛一

旅行に行くため、愛犬のジローをお隣のAさん一家に預けました。最初はペットホテルに預ける予定でしたが、Aさんも犬を飼っており、一緒に散歩しているときに旅行の話をしたところ、「ジローはウチで預かるから大丈夫」と言ってもらったので預けました。ところが、Aさんが散歩中にジローを逃がしてしまい、結局ジローは見つかりませんでした。Aさんから口頭では謝罪を受けましたが、ジローは私にとって家族以上の存在で、慰謝料を請求したいと思っています。

日本の法律では、ペットは動産、すなわち「物」として扱われているので、物がなくなった場合の損害額は、財物賠償としてのその物の時価相当額(購入価格を現在価値に引き直したもの)が基本で、ペットを喪失したことについての精神的慰謝料の請求は原則として認められていません。

しかし、最近はペットを家族同様に扱い、飼い主にとってかけがえのない存在となっていることが少なくありません。このような流れの中で、財物賠償を認めただけでは償い得ないほどの精神的苦痛を被った場合には、例外的に慰謝料が認められるとする裁判例も増えてきました。

とはいえ、慰謝料が認められている場合でも、その額は数万~10万円程度が一般的で、数十万円の賠償を認めた判例は決して多くはありません。

■報酬をもらえば注意義務はプロレベル
ジローをAさんに預けた行為を法律的に説明すると、「寄託」という契約が成立していると解されます。受寄者(Aさん)は寄託者から預かった物を保管する義務を負いますが、その際の注意義務の程度は受寄者が報酬をもらうかどうかで異なります。

受寄者が保管の対価として報酬をもらう約束がある場合(ペットホテルなどはこれに該当します)、受寄者は「善良な管理者としての注意義務」(略して「善管注意義務」)を負います。
善管注意義務とは、職業や社会的・経済的地位に応じ、取引上、一般的に要求される程度の注意のことをいいます。
このため、有償寄託においては受寄者がいくら「私なりに注意義務を尽くした」と反論しても、そのレベルがプロとして求められるスタンダードを下回っていれば注意義務違反が問われることになります。

■「お金」で注意義務のレベルが変わる
これに対し、受寄者が報酬をもらわない無償寄託の場合には、受寄者に課される注意義務の程度が軽減します。この場合、「自己の財産に対するのと同一の注意義務」を負えばよいことになっています。
相談の件は無償寄託に該当するため、そうなると、Aさんの負う注意義務は、プロとしてのペットホテルに課された善管注意義務より軽減された注意義務になります。

相談のケースではAさんがどういう状況でジローを逃がしてしまったのか詳細がわかりませんが、本件と類似する判例があります。ペットホテルが寄託を受けた犬を散歩させている最中に、リードが外れて逃げてしまったという事案です。

この事案の判決理由を読むと、預けた犬は他の犬を怖がるので一緒にさせないよう飼い主がペットホテルに書面で指示を出していたにもかかわらず、ペットホテルが他の犬と散歩させ、結果として逃げてしまったこと、ペットホテルの従業員の説明が二転三転し、場当たり的であることなどの事情が重要視されてペットホテル側の過失が認定され、60万円という比較的高額の賠償が認められました。

ペットホテルは保管料を支払う有償寄託で、受寄者には善管注意義務が課せられています。しかし相手は動物ですから、ペットホテルですら通常業務として散歩中にただ犬が逃げてしまっただけでは過失の認定はなかなか難しかったのではないかとも思えるのです。

そうなると、「自己の財産に対するのと同一の注意義務」に軽減されているAさんについては、(ペットのプロではない)Aさんなりに注意を払って散歩させていたということであれば、注意義務違反を問うことはよほどの事情がない限り難しいかもしれません。

参考記事より抜粋

つまり、隣人や知人の善意に無償でペットを預けた場合、もしペットに何かあった場合でも、『その道のプロではない一般人に「善管注意義務」は認められず、慰謝料等の請求は難しい』ということですね。
もちろん、これが故意であったり犯罪行為であれば話は別ですが、ペットのプロではない方に預ける場合は、相応のリスクを甘受しなければならないということでしょう。


言い換えれば、“預けた側の責任”です。
もちろん、この記事の飼主さんは完全に被害者であり、動物好きのお隣の方が良かれと思い預り、散歩中に逃がしてしまったことは、本当に残念でなりません。

“命”や感情ある“生き物”を預けるときは、ペット自身の責任や、第三者への配慮が不可欠です。
例えば、お散歩中に一時的に誰かにリードを持ってもらわなければいけない事態が生じたとして、もし小学低学年の小さな子供にリードを渡せば、渡した側の責任が問われるのは当然ですね。
これは飛躍した例かもしれませんが、要は「相手はどんなふうにペットの面倒を見てくれるのだろうか?」「これまでに誰かのペットをお世話した経験はあるのだろうか?」「動物に対しての知識はどれくらいあるのか?」「他人のペットを扱う技術は?」「どれだけの注意でケアしてくれるのか?」といった、自分のペットを預ける上で、<預け先>を吟味し見極める責任が問われます。


もちろん、その逆も然りです。
私たちプロのペットシッターは、ただ友人や知人に頼まれただけの一般人とは異なり、業務として契約を交わし有償で受任しているため、“求められるレベル”の線引きも高く、善良な管理者としての注意をもって委任事務を処理する義務が生じます。この善管注意義務は、ペットシッタースクールでもしっかり習う法知識です。

もちろん、それ以前に『逃がす』などのことは絶対にあってはなりませんが、専門知識のない一般人なら許されるようなことであっても、職務の社会的立場から通常期待される義務(善管注意義務)を違反したと認められた場合は、ペットシッターはより大きな責任を問われることになります。

そのようなことがないよう、ペットシッターSOSでは身元の確かな『適性ある有資格者のペットシッター』が心を込めてお世話させていただき(万一の際の保険有り)、安全かつ楽しいお留守番のサポートをさせていただいております。

お出掛けでどうしてもペットを誰かに預けなければいけないとき、上記のようなリスクからも、ぜひ環境を変えないご自宅でのお世話、そして信頼できるペットシッターのご利用をご検討ください。

by 倉西

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