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レスポンデント条件づけ(古典的条件づけ)

ベルの音を聞くと条件反射でよだれが出る~というパブロフの犬実験”をご存知でしょうか?

ベルを鳴らしてから犬にごはんを与えていると、ごはんがなくてもベルの音を聞くだけで犬の唾液分泌量が増す~という有名な生理現象の実験ですね。

これをレスポンデント条件づけ、または古典的条件づけ』や、この実験を行ったロシアの生理学者パブロフから名前をとって、パブロフ型条件づけ』といいます。

ペットのしつけ理論でもよく出てくるテーマですが、前回の『オペラント条件づけ』と間違って覚えている人も多いため、今回『レスポンデント条件づけ』について、分かりやすくまとめてみました。

 

『レスポンデント条件づけ』って何?


“梅干し”を見たり連想しただけで、口内にじゅわっと唾液が出てきますよね。
でも、梅干しをはじめて見た外国の人だったら、どうでしょうか?

「梅干し=酸っぱい」ということを知らない海外の人は、実際に食べて体感するまでは、日本人のように“見ただけ”で唾が出ることはないでしょう。

パブロフの犬実験でも、最初は「ベルの音」という犬にとって何でもない刺激は、それだけでは何も犬の反応を呼び起こすものではありませんでした。
外国人にとっての梅干しと同じですね。

しかし、ひとたび梅干しを口にして、その“強烈な酸味”を体験することで、次からは「梅干し」に体が反応するようになります。

ざっくりいえば、これが『レスポンデント条件づけ』です。

 

 

『パブロフの犬実験』を詳しく見てみよう


生理学者パブロフは、犬の唾液の分泌量を調べるために、犬の頬に穴をあけて管を通すという倫理的に『?』な手法をとったため、今回はもう少し受け入れやすい形でご紹介します。

ちなみに余談ですが、パブロフは他にも動物に精神的苦痛を与える実験を行っていて、たとえば犬に溺れるような体験をさせて、次に水を見たときどう反応するかーや、メトロノームの拍子に震え喘ぐほどの恐怖を感じさせる実験など、今では到底許されない手法を用いていました。


パブロフの犬実験での装置(→参考画像

 

パブロフの犬実験を説明するにあたり、下記の用語をまとめました。

中性刺激 リンリンと鳴るベルの音は、犬にとって本来意味を持たない何でもない刺激(ただの音)であり、これを中性刺激といいます。
無条件反応 後天的な学習とは無関係に、“本能”として引き起こす生得的な反応を無条件反応(無条件反射)といい、「ごはん」を前にした『唾液の分泌』がこれにあたります。
無条件刺激 無条件反応を引き起こす刺激のことを無条件刺激といい、犬にとって『ごはん』がこれにあたります。
条件反応 レスポンデント条件づけによって後天的に学習した反応のことを『条件反応(条件反射)』といい、パブロフの犬がベルの音によだれを出す反応を指します。
条件刺激 条件反応を引き起こす刺激のことを条件刺激といい、パブロフの犬にとって『ベルの音』がこれにあたります。

 


ベルの音は、それだけでは本来犬にとって意味を持たない“何でもない刺激(中性刺激)”
ちなみに、中性刺激に対する反応(耳をそばだてるなど)のことを無関連反応という


しかし、毎回ベルの音の後に“美味しいごはん(無条件刺激)”が繰り返し提示されると


ベルの音が鳴るだけでごはんが出たときと同様の生理的反応(条件反応)を示すようになる

 

つまり『パブロフの犬実験』は、“ベルの音”という「中性刺激」と、“ごはん”という「無条件刺激」対提示することで、中性刺激を「条件刺激」に変え、犬の「条件反応」を引き起こすことを証明した実験となります。

 

 

『レスポンデント条件づけ』を用いたしつけ


パブロフの犬実験では、たまたまベルの音が使われただけで、『中性刺激』の材料は何でも構いません。

そこで犬のしつけによく用いられるのがクリッカーです。
クリッカーとは、小さなボタンのようなもので、押すたびにカチッカチッと音が鳴る道具です。

このクリッカーのカチッという音を、犬にとっての条件刺激とするために、クリッカーを鳴らしてはフード(トリーツなど)、鳴らしてはフードを繰り返し、犬にとってクリッカーの音が「=いいこと(快刺激)」であることをレスポンデント条件づけによって学習させます。

たとえば犬にオスワリを教えたいとき、床にお尻がついたら褒めたりフードを与えて「いいこと」を起こし、それが「正解」であることを教えていきますよね?
このときのフードを専門用語で『一次強化子』といいます。

しかし、離れたところで犬に「オスワリ」をさせたい場合、一時強化子となるフードをすぐに与えることができません。
離れた場所でオスワリに成功して、じゃあ強化子となるフードを与えようと犬に近づき、犬もまた立ち上がって駆け寄ってフードをゲットしたなら、それは「オスワリ」ではなく「立ち上がって近寄る」という行動が強化されることになり、犬に正確に「離れた場所でのオスワリ」を教えることができません。

しかし、クリッカーがあれば、離れていても“それ-オスワリしたことが正解だと教えることができます。
なぜなら、クリッカーは既にフード同様の反応を示すレスポンデント条件づけがされているからです。
この場合のクリッカーを『二次強化子』といいます。

誉め言葉も「いいこと」や「正解」のマーク(印)になりますが、誰が言ったか、そのときの声のトーンや表情などでニュアンスが微妙に変わってしまうのに対し、クリッカーの音はいついかなる時も同じマークとなるので、双方にとって効率的に学習が進められます。

しかし、犬がクリッカーの音欲しさに積極的にオスワリしたり、自発的にある種の行動を取ろうとするのは、今度はそれは“オペラント条件づけ”された行動になり、ここが少し話をややこしくさせるところですね。

ということで最後に、『レスポンデント条件づけ』『オペラント条件づけ』の違いについて、まとめてみました。

 

 

『レスポンデント条件づけ』と『オペラント条件づけ』の違いって?


レスポンデント行動“刺激”に対する反応(反射)であるのに対し、オペラント行動“刺激の変化(刺激の出現/消失)”を求め自発的に起こす行動のことをいいます。

つまり、原因となる“刺激”『行動の前』にあるのがレスポンデント、原因となる“刺激”『行動の後』にあるのがオペラントということになります。

上のクリッカーの例でいえば
クリッカーの音(刺激)に反応するのがレスポンデント条件づけ
自ら行動を起こしクリッカーの音(刺激)を得ようとするのがオペラント条件づけ
です。

専門用語がややこしくさせますが、「レスポンデント条件づけ」「オペラント条件づけ」も、ペットのしつけにおいてとても大切なテーマとなりますので、ぜひこの機会にマスターしましょう。

 

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