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犬のチャイム吠え

チャイムが鳴ると、それがまるでボクシングのゴングかのように、血気盛んに玄関に向かってワンワンと吠え出していく犬は珍しくありません。
珍しくないというよりも、チャイムのしつけがされていない犬のほとんどが、このような猪突猛進型タイプといえるのではないでしょうか。ペットシッターがお伺いした際も、元気に出迎えてくれる子たちはたくさんいて、そんなワンちゃんたちに警戒心を解いてもらい、大の仲良しになれることも、この仕事の喜びのひとつだったりします。

しかし、多くの飼主さんが「やめさせたい」と思っているのも、この「チャイム吠え」ではないでしょうか。
今回はそんなチャイム吠えのなおし方について、見ていきたいと思います。

 

そもそも、なぜ「チャイムの音」に反応するの?

「うちの子はチャイムに反応して吠えちゃうの」
しかし、よーく思い出してみてください。
おそらくパピーで迎え入れたばかりの生後数ヶ月の頃、いきなりチャイムの音に反応し吠えてしまうようなことは、なかったと思います。

チャイムの音に限らず、例えばオヤツの袋を開けるガサガサという音に対する反応も、パピーの頃からいきなり「え?なんかくれるの?」と寄ってきたわけではないはずです。

犬は、『その音に連動して必ずあることが起きる』ということを、日々の生活の中から体験として学習していきます。
またその体験は、犬にとって“イイこと”が起きればより強化されていきますので(正の強化)、例えば『袋を開ける音=美味しいものが出てくる』と喜ぶ反応を見せるように、「チャイム」に対しても同様の反応を起こし、その行動が強化されています。

多くの場合、宅配や回覧板など“用が済めばすぐに帰ってしまう訪問者”ばかりですから、『チャイムが鳴る(=知らない人が来る)→吠えて追っ払う→訪問者が帰っていく(テリトリーから追い出せた)』という成功報酬付きの行動パターンができあがることになります。

このように、『きっかけ(前触れ)→自発行動→結果』の連鎖を学習心理学では三項随伴性(さんこうずいはんせい)といい、犬はこの体験を繰り返すことで、自発的行動を強化していきます。

しかしながら、たとえ吠えたとしてもなかなか帰らず、ときには家に上がり長居するような訪問者もいるでしょう。犬にとっては成功するかしないか結果が分からない、まさにギャンブル性があることも、そのような行動を強化させることに一役買っています。これを間欠(かんけつ)強化といい、連続強化で強化された行動よりも強く、長く持続されるという実験結果もあります。

さて、犬がチャイムに吠える心理、原因が分かったところで、次はその直し方を見ていきましょう。

 

チャイムの音に慣らすしつけ

どんなしつけにおいても、家庭犬に「罰」をもって直していくのは、好ましくありません。
チャイムに反応し吠える犬に、「コラ!うるさい」と叱っても決して根本が改善されることがないように、逆に興奮スイッチが入った状態では“囃し立てられ構ってもらっている”と感じ、そもそも「罰」にさえなっていないということもあるでしょう。

では、もっとはっきりと分かる「罰」にしたらどうか?例えば

  • 玄関マットに紐をつけておいて、犬が吠えてその上まで行ったときに一気に引っ張って転ばせる
  • 吠えた瞬間苦味スプレーを吹きかける
  • 大きな音がする物を投げつける

…etc.
なんて、そんな危険なドS発想をされた方がいましたら、どうぞそれをしつけのSに変えてください。
こうした「罰」を用いた対処は、(吠えることを)続行できないほど物理的に「イヤなこと」をされているわけですから、その場限りの即効性はあるかもしれませんが、マットの上や玄関、ましてや一緒にいる人間を怖がってしまうなど弊害も多く、犬を人間社会に受け入れるしつけを怠っておきながら、あまりに不平等で非人道的な手法と言わざるを得ません。

どうして犬が吠えるようになったかを考え、結果を急がずプロセスを大切にしていきましょう。
チャイム吠えを直させる前段階として、クレートがあれば「ハウス」、なければ特定の場所で待機させる「ゴートゥーマット(マットの上に行け)」などのしつけを覚えさせ、そこに行けば「イイこと」が起きるということを学習させていきます。

<簡単に「ハウス」のしつけ方を紹介>

フードをクレートに入れれば、それを食べようと犬が入ります。入ったところで、またフードをクレートにどんどん入れると、クレート内を好んで受け入れるようになります。犬が自発的にクレートに入るようになれば、そこに「ハウス」などの合図を加えていきます。

次に誰かに手伝ってもらって、またはその家のチャイムの音を録音しておいて、誰も入ってこない状況を作りドアフォンを鳴らします。

当然犬はワンワンと反応しますが、チャイムの音が一度聞こえるだけで、それ以外の変化は一切起きません。吠えている間は無視し、そのうち必ず吠えやみますので、落ち着いたらハウスさせフードをあげます。これを何度も何度も繰り返します。5回、10回でうまくいくとは思わないでください。それこそ何十回、何百回と根気よく、このやり方こそがまさに‐ピンポン‐なんだと信じ、繰り返し行ってみてください。

ストップウォッチを使って、チャイムを押してから犬がハウスに入るまでのタイムを計ると、最初は5分かかっていたのが次第に3分、1分、10秒と縮んでいくのが目に見えて分かるので、しつけする側のモチベーションにもつながるでしょう。

必ずしもハウスがなくても、「チャイムが鳴ったらおやつを与える」ということを繰り返し行うことでも、しつけることができます。

チャイム音を録音し、まずは小さい音から鳴らしていきます。「チャイムの音が鳴るとイイことが起きる」という学習をさせていき、小さな音で慣れてきたら除々に音量を上げていき、最終的に実際のチャイムでも同様の体験をさせます。

例えば、一度「チャイムの音」との連動で“強い恐怖”を覚えてしまった老犬などの場合は、改善にはさらに根気が要りますので、根本的に「チャイムの音」自体を変えてしまう、というのも方法です。

『チャイム→吠える』から、『チャイム→ハウス→イイことが起きる』という三項随伴性のパターンに代えてしまうことで、犬も人も来訪者もストレスいらずの円満解決となるでしょう。

 

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